この聖堂は何か特異である。
先ずは中へ入った瞬間に特別な感じに打たれる。柱は1.5m位あろうか、それがそこいらの小石を集めただけで成り立っている、柱の上にあるロマネスク特有の怪獣もいない、柱の土台もない。うーん何といったらよいのか、素朴にして豪快、単純、明快。
次に変わった感じを受けるのは、中央身廊の天井構造だ。普通は古くは木材であり、その後半円筒状(かまぼこ型)の天井が西の入り口から東の祭壇に向かって水平性を強調する構成だ。ここでは水平性を断ち切るがごとく半円筒状の天井が直角に連なっている(錦帯橋のごとく)。
ここでの思い出がある、誰もいない聖堂でパイプオルガンの演奏が鳴り続けていた。ずうっと聞きほれた。
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