大学の成立と目的西欧精神の探求 革新の12世紀 下 堀米・木村・今道友信 NHK出版 ヨーロッパでは王権や教皇権からはなれて真理の探究のため大学は12世紀後半に成立した ユニヴァーシティ(University) |
|
中世ヨーロッパの大学分布図 |
ボローニア大学:1088年または12世紀説あり 中国では北宋時代(1086)に王安石が科挙試験で官吏を採用するための試験だけでは不十分で、もっとすぐれた人材を育成する必要があり、そのためには根本から教育をやり直さなければならないと考え、新たに学校を建設した。都に国立大学を建て80棟の寄宿舎に2400人を収容して授業を行った。しかし南宋の時代になると経済的理由から廃れてしまった。自主的大学でないためか |
スコラ、マドラサ(イスラムにある神学校の学林)との違い 設備:初めは固有の建物は無い。イタリアでは広場、パリでは街角や人通りの多い橋の上。 学生達が金を出し合い経済的自衛手段喉が進んで、教師への謝礼のほかに設営費が考えら れてくると、ようやく一定の部屋を借りてそこを研究の場所とするようになった。 内容:教師がその知的指導力で研究を優位に沖、学生と一つになって教会や王の権威や命令に対 し、真理探究の自由の証として自治的特権や研究生活上の便益を主張するために組合を結 成し、指導的位置に立つようになった。 性格:大学の別名としてストゥディウム・ゼネラーレ(studium generale)、英語では(general study) になり、「国際的な研究所」と訳される。ここに国際的とは国家的な問題ではなく「人類に 共通な問題を国際的な人々の知的な協力によって真に存在するものを研究する」と いう意味がこめられている。 大学の自治:大学の自治はただ大学における学問研究の自由を守るためにあるもの。大学の自治 は目的ではなく真理探究のための手段たる学問活動を守る手段で、いわば手段の手段に過 ぎません。それゆえ大学に自治は政治的なイデオロギーなどには全く無関係なものだと言う ことを私は力説したいと思います。 |