聖地の風景

はじめに

  時間、空間空の制約を超えようとしている人間は、これからどこヘ向かって歩いているのか。人間は動物の中で最も家畜化された動物だ。総ての条件から自由を得つつあるために神の与えた軌道がない、かのようだ。それゆえに自己コントロールが必要だ。進化の迷路で立ちすくまないように。

 現在、世界は二つの流れで織り成されている。

  一つの潮流は理性の世界である科学、技術の世界だ。源流をギリシャに持ち、イスラム、コぺルニスク、ガリレオ、ニュートン、産業革命、アインシュタインへと受け継がれて行く。

  二つ目の潮流は感情の世界である宗教である。中でもキリスト教は群を抜いて現代の我々に影響を与えている。となると我々はキリスト教を原点から問い直し、その本質を知り、そこから派生するギリシャ正教、カソリック、宗教改革、プロテスタント、十字軍、イスラム教、共産主義など理解する必要がある。

  一方、東洋にあっては紙、火薬、羅針盤、印刷術などヨーロッパよりはるかに早く実用化されていたが、その後の発展はあまりしなかった。また思想の世界では釈迦、孔子、孟子などを輩出したが、彼らはイエスのように神にはならなかった。

 そこで現代を生きるわれわれは、改めてヨーロッパの歴史を洗い直す必要がある。

私は予てよりヨーロッパを中心として気楽な旅を楽しんだ。予てより記憶のあるうちに紀行文を作りたいと思っていたが、最近はパソコンが驚異的な発展をしたので写真をデジタル化して映像を豊富に取り入れてビジュアルな現地報告を行ってみたいと思っています。

  その視点としては次のようにしたい。

歴史を見る視点としては、年表的な解説ではなく、歴史を駆動している真の理由を捜したい。下記のような技術的・社会的・宗教的要素をから歴史を考えてみたい。

  技術的な要素

鉄は殺傷力を飛躍的に高め、全ての戦争に関与している。更に農業革命にも決定的役割を果たしている。中世の農業革命とどのような関係にあるのだろうか。

農業技術の改革(三圃制、馬の活用、鉄製の犂により深耕が可能、水車の利用)によって国力がつきヨーロッパが勃興した(人口が23倍になった)

騎馬は機動性を増し、時間・空間を縮めた。古代の戦争は騎馬の戦力によって勝負がついた。参考文献から、歴史的な戦いを騎馬を中心として見直してみる。

大砲、火薬、船の能力によって、中世以降の戦争は決着した。新大陸発見など大航海時代での植民地の開発、アフリカよりの奴隷狩りによりヨーロッパは拡大した。

社会的要素

科学の誕生と発展は何故ヨーロッパがし易いか

自由・競争・民主主義は科学技術の発展にどのように関係するか

ゲルマン民族の社会組織(民会が首長より優越する)とヨーロッパの民主主義

仕事(労働)の意味と社会の発展(シトー派修道、院聖ベネディクテイウスの戒律)

都市の勃興(都市は自由にする)、身分制議会の成立


帝国の退廃と遊牧騎馬民族は何故強いか(ローマとゲルマン、漢・唐・宋・明と匈奴・鮮卑)

宗教的要素

・イエスは何を述べたか

・イエス教は何故世界宗教になったか

パウロはキリスト教をどのようにして作ったか

聖書はどのようにして完成したか

カソリック・ギリシャ正教とプロテスタント(正統と異端の教義、そして宗教改革)

時代ごとの建築様式からその時代の価値観を考える

一神教と科学の関係(絶対を求める宗教は科学的真理を追究し易いか)