街名 セロス村のロマネスク教会
特徴 キリストの象徴クリスムのあるサンタ・クルス・デ・ラ・セロス教会

 ハカから西に向かって約20Kmのところを左折して10Km程行くとセロス村が現れた。それは山間の静かな村で、まだ眠りから覚めていないようである。先ず誰もいない聖堂の拝観だ。建物は小さいが村の景色の一部になっていて親しみが持てる。ここは正面のティンパヌムが見所だ。今まで見たウエスカ、ハカに比較するとやや稚拙で、クリスムの本来の意味合いも見失っている。しかしこの町の路地を歩いていると、おばあさんが声を掛けてくれたり、鶏が人間の家のような立派な小屋に住んでいたりして楽しかった。昼食は山奥にある修道院を見てから(開館の時間上)、教会の見えるテラスでゆっくり愉しんだ。

クリスムについて

・円中の文字について
XPISAωのうちA ω Sが本来の位置からずれている。I(横の−なっている)の文字が車輪の構造体になっている。本来キリストを象徴的に表していたクリスムは図柄的には似ていても、内容の無いものになりつつある。詳しくはクルスの意味参照

ティンパヌムに書かれている文章について

クリスムの円の周りの銘文には「われは、入るに易しい門である。信者よ、われを通ってはいれよ。われは 生命の泉である。ブドウ酒 よりも、われによりて渇きを癒せよ、聖母の至福の神殿に入るなんじらすべてよ 」
ライオンの足元の銘文には「キリストに祈願することが出来るためには、先ず改悛せよ」と、救われるためには信仰することを直接に迫っている。


▲民家の煙突越しに聖堂を望む
 
▲やや崩れたクリスム          蒲鉾型の天井

▲クリスムの形はやや崩れてきているが文章は現実的で迫力がある