ブナの一斉林
乳頭温泉郷は乳頭の森にすっぽり包まれている。特にブナ林の新緑期、黄葉期は自然の彩りの中に包まれて幻想的な気分に満たされる。その代表的な例は空吹湿原から黒湯までは30分だ
白神山地
秋田と青森の県境にある白神山地は世界自然遺産に登録されたブナ原生林である、この山地は日本海岸に近いために冬は約5メートルを越す積雪量となり大量の水分を供給しつづけることになる。そのためこのブナ林は日本海岸型と言われ、木の葉も大形となり、純林を形成している。
ブナは漢字で書くと用の無い木で木無とかかれているが、その葉や実が形成する土壌は数知れない植物や生物を育むと同時に、保水効果も大きく緑のダムといわれるゆえんである。
岳岱風景林に入った瞬間に極楽とはかくばかりかと思われる風景、そこには総てが満たされ完全に調和した世界があった。何百年かを生き抜いたブナの大木は巨岩を抱きかかえたまま大地から生命を吸い上げている。数十メートルをこすブナの大木の形づくる大空間は黄、さび、赤、ベージュの色をした葉を通った光線で満たされていて、まさに光のシンフォニーを見ているようであった。ときたま吹く風で木の葉がざわめき宙を舞う葉は永遠に舞い続けているかのようであった。
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