芦田家 前庭、本庭
兵庫県尼崎市   非公開
  芦田家は旧家であり、明治時代にできた本宅も立派である。
庭園は見所満載であるが、まず座敷からの眺めは、三方が塀で囲まれた庭はL字型をしているため、庭に入り込んで観賞してる気持ちにさせる。庭は中島や出島が複雑に出入りした蓬莱式の住宅枯山水である。また護岸の曲線は赤砂や白砂の洗い出し法を用いてモダンな感覚を創造している。白砂の曲線、地模様が丹波や鞍馬の敷石と呼応しあって永遠のモダンを演出している。この庭は塀の外からも見られることを意識して作られていて、まさに四方正面の庭である。重森の作った数奇屋門を入るとインカ風の敷石がモダンに展開する。蔵と塀の間は広く取られ、一種の観覧席ともいえる。ここでパーティーなどを催せばすこぶる楽しい雰囲気になるであろう。門を入って左側には築山と出島があり、七五三式の石組みは蓬莱連山を想像させる。庭が出来てから約35年になるがまるで造園当初のようだ、このように完全な状態で維持管理するには施主の庭園に対する愛情とご苦労があってのこと。

▲重森による数奇屋門

インカ風の敷石

▲蔵と庭の間は広めの通路になっているが、ここも現代の庭園といえる。撮影当日はご当主が散水をして頂いてあり、あまりの美しさに、ご挨拶する前についつい撮影をしてしまった。

▲数奇屋門を入ると蓬莱連山が威容を誇る。

▲書院に入ると広い庭の巨大な巌、美しい松、斬新なデザインが飛び込んでくる

▲広く開口された窓と、ゆったりとした廊下からのは完璧に手入れされた庭園が望める

▲神仙島には常緑の松がきれいに手入れがされ、蓬莱山とはかくなるものか、と思わせる

▲庭園の塀の背後には蔵があり、庭園の景色の一部になっている

▲ご当主は俯瞰写真が撮れるようにとの、ご配慮から大きな脚立を用意されていた

▲脚立による俯瞰写真

▲豪快な巨石群

▲聳え立つ主石

▲別のアングルによる俯瞰写真

▲コーナー部分の神仙島


▲仙人が住むといわれる神仙島のような美しい松。木陰には浦島太郎がいるのでは