橋  玉澗式

  天台山一帯は、山・滝・渓谷が織りなす景色が美しく、天台山風景名勝区に指定されている。その麓にいくつかの寺が散在している。その中心をなすのが、県城から3km北にある国清寺。中国天台宗発祥の地として有名で、隋代に智(ちぎ)大師の遺志にもとづいて創建された。唐代に最澄は804年ここで天台宗を学び、日本に帰って、日本天台宗を興したことでもよく知られ、日本天台宗の発祥の地にもなっている。最澄は、帰国の際にお茶の木を持ち帰り、それが日本にお茶が広まるきっかけになったとも言われている。また円仁・円珍・道元・栄西ほか多数の僧が入唐・入宋の際に一度はここを訪れた。国清寺から17km奥に入ったところにある石梁瀑布(方広寺という寺がある)。
 この石梁瀑布こそが玉澗流水墨画の基になった実在の橋と滝である。この滝の上にかかる
石橋は細くて長く、非常に不安定な感じがする。しかしここで修行している僧たちは普段どおりに渡っている。


▲石梁瀑布@(吉祥寺山田御住職の提供)

▲石梁瀑布A 田中昭三氏撮影

▲石梁瀑布B  確かに渡るに渡れない橋だ  田中氏より記載許可済み

▲旧阿波国分寺  洞窟的に架けた橋

▲名古屋城・二の丸  これぞ、元祖「玉澗流」の橋である。上部に架かる渡るに渡れない橋

▲楽々園の峡谷にかかる橋 
 水墨画を見るようだ、中国の天台山・方広寺の石梁飛瀑のような景色。橋の添え石に一つが特に大きいのは曼殊院と手法が近い。

▲粉河寺  この躍動した岩組みの中央には渓谷からほとばしり出る激流がある。そこには頼りないわたるに渡れない細い橋がある。これぞ中国北宋時代にはやった玉澗式の橋だ

▲千秋閣

▲大徳寺・興臨院  小さく架かった橋は不安定この上ない。ここを修行者は難なく渡ることが出来る。
  当庭園は古図に従って最近作庭された