「中田家住宅ギャラリー」のこけら落し
この度、松本市の重要文化財に指定されている母屋二階をギャラリーとして改装した。ギャラリーは庭園写真や山岳写真を展示しているが、各種のイベントにも利用できるように、適宜写真を取り外すようにしています。
 またイベントが一般公開される場合は居住区の古書院(江戸時代前期)、母屋(明治23年)、庭園(長野県名勝)も公開したいと思っています。
 その第一回目のイベントとして、講師として建築家・建築史家 藤森照信先生(工学院大学教授、東京大学名誉教授)をお迎えして、「日本の庭と建築-中田邸庭園を考えるために-」をご講演頂きました。
 ご講演は画像によって進められましたが、三重県の花窟神社の神事に始まり、イングランドやスコットランドのストーンサークル、インディアンのウッドサークル、秋田県大湯のストーンサークル、そして諏訪地方の御柱についてご説明を頂きました。最後には平等院の州浜の造形は単に自然の風景を造形化したのではなく、極楽浄土を象徴していることを強調された。
結論としては先生は建築とか絵画、庭園などと細分化された芸術論ではなく、人類に普遍的な芸術論として、ストーンサークルから説き起こされたことに感銘を受けました。

開会の辞

菅屋松本市長によるご挨拶

平等院の洲浜は極楽浄土の象徴である、とのご説明

桂離宮の葺石による洲浜の造形も極楽浄土の伝統を受けている、とのご説明

カラニッシュ(ルイス島)のストーンサークル

カルナックの列石が倒れて4つに分かれた「グラン・メンヒル・プリぜ(新石器時代に入る直前の紀元前5.000年末頃に高さ20.3m重さ約347tのメンヒルが倒れて割れた物)」

台湾の巨石文化で、瑞穂市にある板岩石柱と呼ばれるメンヒル

米国イリノイ州のカホキア・マウンズ (Cahokia Mounds) 遺跡
木製のサークル (Woodhenge Circle)

古書院より庭園を望む

当日は居住区も一般公開されました

講演会会場には日本庭園の写真が展示