古長禅寺(夢窓国師ゆかりの寺) 柏槙は国指定文化財(昭和28年)
山梨県南アルプス市鮎河505  電話:055-282-1278
柏槙
 
夢窓国師が1316年に釈迦如来を安置しその前に四本の柏槙を植えたと言われている。柏槙は禅宗においては聖樹とされていて、建長寺、大徳寺などが有名である。ここの柏槙は四本が揃っていて、形のよく、樹齢も700年近くありそうで、最も禅風を表していると思う。この木々は禅宗を広めようとした人々の執念が染み付いている。いくら見ていても厭きる事がない。私はある種の感動でむねがあつくなった。チャンスがあれば、再度尋ね、ゆっくりと古の人々の思いを感じ取りたいとおもっている。
庭園
後世の庭のような強い意志のにより岩組みはされていない。夢窓縁の寺であるが、夢窓が作ったものとしては初期的なもので、恵林寺への習作といえないだろうか。もちろん後世に夢窓にあやかって作られたともいえるが。

▲写真左(北西隅):地上約一mで四つの幹に分かれている。根回り6.3m、樹高16m
  写真右(南西隅):地上に近いところから東西に二股に分かれている。根回り5.15m、樹高14m

▲写真左(南東隅)正常な姿。根回り4.05m、樹高10.90m
  写真右(南西隅):地上に近いところから東西に二股に分かれている。根回り5.15m、樹高14m

▲雄姿(北西隅):地上約一mで四つの幹に分かれている。根回り6.3m、樹高16m

▲北東隅:地上部で東西に割れている。根回り(東4.4m、西2.35m)樹高10.9m

▲同上 割れた幹からの枝ぶり

▲同上  割れた幹の間から次世代の幹が成長している

▲門の中にある古式な庭園。地割様式が苔寺、南禅院に似ていて、岩組みによる護岸ではない。ただし、現状の小さな石を積み上げて状態は江戸時代の末期ではないか。

▲建長寺(鎌倉)の柏槙

▲大徳寺の柏槙