参考 下記図が不鮮明の為 日本庭園の象徴性と抽象性の区分図(PDF) も示した。 1日本庭園の象徴性と抽象性 ここでは、具象的造形、象徴的造形、抽象的造形と大別し、各々の項はさらに2分類した。 1・1具象的造形 全く自然のままの景色を庭園とは言わないので、何らかの人為的な自然への関与の庭を定義した。 @自然の中にある庵・東屋の風景(自然そのものを眺める田園風景) A箱庭的に自然を模倣した造形(自然の要素を取捨選択せずに、あれこれ取り込んだ造形) 1・2象徴的造形 @自然風景の表象化(デフォルメした自然:荒磯・洲浜など) A神話・仏典・禅語録などの物語を視覚化(蓬莱山・須弥山・極楽・九山八海など) 1・3抽象的造形 @人工的造形(自然を高度に抽象し、自然には存在しない直線や曲線の形や色の造形) (グラフィックデザイナーとしての重森の造形) A完全に抽象造形(龍安寺の世界) |
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日本庭園の抽象化度の概念図 日本庭園は自然を取り込んだ具象的庭園から、次第に物語の視覚化や自然の表象化、即ち象徴化の方向に進んだ。さらに禅思想の影響もあってか抽象化された石組みは「空間構成美の庭」を完成させた。ただし、抽象化度の高い庭園は抽象思想を造形化することが困難なため、多くの日本庭園は下図に示したような象徴庭園の部類に属している。なお日本庭園は不可逆的に抽象化を目指したのではなく、試行錯誤の末、結果的に龍安寺のような完成度の高い抽象庭園に達したと思われる。 近代になって重森を中心とした人々により世界基準に適う抽象庭園の試みがなされている。
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