西沢渓谷
恵林寺から笛吹川を遡っていくと、川浦温泉、広瀬ダムを通り雁坂トンネル手前を左折する。
夢窓国師は浄居寺では禅僧が四方から集まってしまい、幽隠修行の生活が妨げられるというので、1311年(37才)の春には、尚もっと奥の龍山庵へ引き込んだ、となっている。現在龍山庵は塩山市柚木205の栖雲寺の裏、となっている。しかし、川瀬一馬氏は、年賦では「幽僻にして人煙を離れる事30里」となっているし、更に詠草には「里を離れて30里ばかり入りて、水石興ある幽谷あり。」とある。確かに30里となれば現在ならば120kmになるので、人里から相当離れていなければならない。更にまた、水石興ありが問題で、国師が好まれる場所のような気がする。となると、この地方では西沢渓谷が有力候補と考えられる。