白鳥山龍勝寺
龍勝寺　現在無住である。近くの建徳寺のご住職が兼務されている
建徳寺　福島県いわき市常磐藤原町松本65　電話：0246-42-4083
　この地はいまだ定説がない。しかし従来の奥州の白鳥（中尊寺より北側）は推定するに値する合理的な背景が薄いと思う。
　私が丹さんに導かれて、いわき市にある白鳥山龍勝寺が白鳥庵であろうと推測する理由
①鎌倉・建長寺で痴鈍空性のもとで修行したことがある。痴鈍は建長寺を退官後は故郷のいわきで過ごした。彼はこの地の豪族の出身であり、いくつかの寺（長興寺、霊山寺など）も創建している。
②白鳥山龍勝寺には夢窓がこの寺にいた、との縁起がある「いわき市史」第一巻494頁
③関連する内草も10ｋｍいないにあり、大悟のちである臼庭にも近い　
④付近には痴鈍の墓がある禅長寺がある
④上記内容は「いわき市史」第一巻492～495頁に記載
思い出
　地理感のないこの地を訪ねたのは6月下旬の暑い日であった。タクシーで白鳥山龍勝寺にたどり着いたので安心してタクシーの支払いを済ませた。ところが寺には誰もいない、困り果てて墓参りの人に尋ねると、建徳寺を教えていただいた。真夏の太陽が照り付けていたが、田んぼの中を歩いた。しかし、ようやくついた寺ではこれから法事を行うところであった。必死のお願いで少しの情報を得ることができた。帰り際にご住職が冷えた麦茶の缶ジュースをいただいた。心温まる思い出だ。そこからタクシーを呼び大館・長興寺に行った。立派な門がある、ここならタクシーを返してもいいだろう、と思った。しかし甘かった。田舎なのでタクシーは拾えない、迷ったが個人のお宅で電話を借りた。そのあと内草に行き、凝灰岩（座禅窟を作るのには最適の岩）の断崖のある藤原川を確認して、大阪に帰った。最後になりますが、いわき市の教育委員会からは当日、後日とも資料をいただき大変助かりました。

▲見にくいが「白鳥山龍勝寺」と帰されている

▲山門

▲本堂

▲本堂の軒下にある船

▲建徳寺