四天王寺学園 現代(昭和38年) 重森三玲
大阪市天王寺区四天王寺1-11-73  電話:06-6772-6201
  校門入った正面に金銅慈母観音立像がる。生徒、職員はここを通る都度礼拝している。このような神聖な場所に庭園を作る、には斬新なアイディアーとインスピレーションが必要とされる。作者の重森三玲氏はややもすると、巨石を使った従来型の庭を思い浮かべるかもしれない。しかしモダンアートと言える作品を昭和38年に67才で作ってしまった。メインテーマは観音であるために古代の雲紋を思いついたそうだ。材料は御影の白板石と丹波の赤板石とで雲紋を表し、観音の発する後光を放射状に切り込んでいる。
  尚、今回の撮影許可を頂くために電話をさしあげたところ、補修工事の直後であったため、工事関係者からの情報に基づいての撮影かと、思われたそうだ。偶然とはいえ因縁を感じる。また、当校は女学校であるから外部からの訪問は厳重に管理されるところであるが、特別の計らいで4階からの撮影を許可していただいた。

▲観音像が校門に向かって立っている。午後2時ころであるが太陽の影と後光が一致している

▲湧き上がる雲間から観音の威光が放たれる

▲重森は雲紋のほかに海岸の汀をパターン化している

▲後背も重森の設計