蹲踞

▲西芳寺の龍淵水
 夢窓国師は25年後、西芳寺に永保寺とほとんど同じ形の坐禅石(図2)を供隠山枯滝付近(図12)に配置した。この位置からは修行の場である供隠山枯滝が見渡せ、集団から離れたところで一人坐禅の境地に入るには最も適した場所である。高さと幅が約一メートルの円柱状の石で形がほとんど同じであり、設置場所も西芳寺の山裾の傾斜地である。なお、坐禅石の横からは泉(龍淵水という)が湧き出ていて坐禅に入る前に心身を清めるためには都合のよいところであった。

鹿苑寺 現在の鹿苑寺には厳下泉(手を洗う)、と銀河泉(お茶の水を汲む)が並んで配置されているが、本来はもっと大きな石で龍淵水状のものであろう。

▲慈照寺の相君泉  西芳寺は坐禅石の横に心身を清める泉があった。それから150年経った慈照寺においては坐禅石が従になり、泉がお茶用の水として主になった。

▲大徳寺の仏足石 これが蹲の源流の一つに数えられている

▲本法院の蹲
 
▲桂離宮                            ▲妙心寺 東海庵

▲妙心寺 東海庵方丈 凛とした風景