鶴島の系譜

▲鹿苑寺(金閣寺)の金閣側よりの鶴島(左)と亀島(右)
  一般的な配置とは逆のようであるが、実際は舟上から金閣を仰ぎ見るのだから変則的ではない。

▲慈照寺(銀閣寺)の白鶴島  一見亀島に見えるが羽を休めた鶴の姿

▲慈照寺(銀閣寺)の白鶴島  上記写真の反対側(東求堂)より眺めた飛翔した鶴の姿

▲大徳寺(大仙院)の亀島(右)

▲旧宗隣寺  大きな羽石が鶴を象徴している

▲徳島城千秋閣  鶴島細部 蓬莱山の鶴島にも洞窟がある。右側の巨石は羽根石

▲徳島城千秋楽  鶴島石組み(右側の垂直の石は鶴の首、左側の富士山形の石は羽石)
             j上記鶴島の反対側より撮影。慈照寺の白鶴島と似ている

▲朝倉遺跡  中央の二石が鶴が羽ばたいてる姿

▲二条城二の丸
 大きな羽石が印象的な亀島。本来この島は蓬莱山を背負った大きな亀島である。しかしこの位置から見ると右側の亀島(特徴的な亀頭石)に対応して鶴島に見えるようにもなっている。

▲二条城二の丸庭園  天皇が行幸された時の御殿(現在はない)側から見た景
  左側の三角の石が羽石、その右側の横長の意思が鶴首石。右側の大きな石の後ろの大島には亀島を象徴する亀甲石がある(同じ色の石が並んでいるため見えにくいが)

▲西本願寺の鶴島 
 この羽石は巨大な緑石で豊臣秀吉の権力を示している。この島の左側には亀島があり、奥には蓬莱連山がある。

▲南禅寺金地院
  巨大な鶴の嘴と羽石よりなる鶴島。金地院崇伝は徳川家康より三代に渡って宗教政策を司った怪僧。各大名は競って橋になる巨石を寄進したが小堀遠州は礼拝石(左隅)や鶴嘴石にした。ここでも左側に典型的なな亀島があり、その中間に蓬莱山がある。

▲円徳院  鶴島(右)と亀島(左)山裾右側が蓬莱連山、左側が枯滝  全山これ名石、奇石
  この庭の特徴は鶴島と亀島を繋ぐ圧倒的な橋である。また仙人の住む神聖な島に橋が架かったことである。この風潮は室町末期から始まったのであるが、この庭や二条城の庭によって決定的になった。戦国武将は現世を生き抜くためには神仙蓬莱思想など信頼していなかった。そのためか滝の石組みもバラけたスタイルになってくる。

▲石像寺  重森三玲先生による四神相応に庭。奥の朱雀の羽石はものすごい。手前が白虎