インスブルックからブレンナー峠(オーストリア〜イタリア国境)
  今回チロル地方を訪問するようになったのは、訳がある
@ドイツ文化圏のインスブルックを中心とするチロル地方は風光明媚である
Aモーツアルトに興味がある。彼がインスブルックの安宿に泊まったのであるが、その宿は現在も営業しているので見てみたかった。
Bオーストリアとイタリアの国境にあるブレンナー峠を超えてみたかった。この峠はローマ時代はゲルマン狩りのためにローマ兵が超えていった。その後ゲルマン人の諸部族がイタリアを略奪をするために峠を越えた。中世になると歴代の神聖ローマ皇帝がローマ皇帝の戴冠をすべくローマ教皇庁にはせ参じ、その名に恥じぬようイタリア北部の討伐にこの峠を越えた。もっともこの名が邪魔してローマ皇帝はドイツ国内の治安がおろそかになりドイツとしての絶対王政の確立が決定的に遅れてしまった。
C毎日味の濃いドイツ料理に疲れていたのでイタリア料理が恋しくなった。

参考)上記内容のイメージを孕ませてくれたのは、私の会社時代の大先輩(70にして大学時代の山岳部の仲間とスイスの山登りをしているKさん)がこの本を紹介していただいたからだ。美しい文章と、博識で興味がそそられる。「ブレンナー峠を越えて」小塩 節

▲ドイツ最南端の町ミッテンバルトからインスブルックへの距離は30kmくらいだ。山道を降りていくとやがてインスブルックの郊外に出る。谷あいにはイン川が流れていて、その両側には美しい山並みが連なっている。

▲とうとうと流れるイン川  アルプスの雪解け水はなぜか乳緑色で東北の温泉を思い出した

▲イン川両岸には瀟洒な建物が並んでいる

▲モーツアルトの泊まった「ヴァイセス・クロイツ」と突き当たりは「黄金の小屋根」

▲宿の入り口に1709年に宿泊した証明が記載されている

▲ヘルツォーク・フリードリッヒ通りは雪が多い町のためか、雁木作りになっている

▲ブレンナー峠の新旧街道
  国境の少し手前に美しい村がある。この写真はイタリアからザルツブルクへ行くときに、ハイウェイのガソリンスタンドから撮影した。奥のほうのアルプスが見えずに残念であるが。

▲イタリアに向かう途中道路越しに撮影した。雪のアルプスが雲の間から垣間見える。

▲旧街道
凸凹、くねくね

▲イタリアに入ってから最初の出口の村ヴィピテーノ村付近
  宿をこの村に決めてから適当に山道を遡って行くと、静寂、無垢の村

▲アルプスの雪解け水とお花畑。いたる所この風景

▲山に張り付くような小さな村



▲宿の親子
イタリア料理が美味かった。広尾や麻布十番どころでない。これだけでもブレンナー峠を越えて良かったと思う

▲アルプバッハ村(インスブルックの東約40Km)
ガイドブックを見ていたら「ヨーロッパで一番美しい村」に選ばれたと書いてあったので、宿泊するつもりで訪ねてみた。なるほど花に包まれたつつましい村であった。しかし、前日に名もないような無垢の村を体験してしまったので、せっかく来たのであるがザルツブルクへ行くことにした。観光地になると必然的に商業的、衛生的、快適性を求めるため、不自然になってしまう。観光地の宿命だ。

▲ここでの昼食はいつものようにパンとジュース、ヨーグルト、果物だ。
   総合TOP  ヨーロッパ紀行TOP 日本庭園TOP