エジンバラ
  イギリスの正式名称はグレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国という。またグレートブリテンとは何かというと、イングランド、スコットランド、ウェールズよりなる。つまり4カ国の連合体だ。世界の海を全て自分の中庭にしたイギリスであっても、解決出来ないほどの問題とは何であろうか。答えは民族問題だ。
民族問題の歴史については、イギリスを語るには欠くことが出来ない重要な問題なので 別項 にも記した。すなわち、先ず紀元前2000年位い前にイベリア人が進入して来て、2番目はビーカー人が侵入し、先住民を駆逐または同化した。3番目は紀元前6世紀頃になると大陸からケルト人が侵入し、先住民を駆逐したそうだ(この辺りもよく分からないのでは)。4番目は紀元前後にローマ人が支配した(本島南部のみ)。5番目はローマ人が撤退した後に、アングロ=サクソン人が侵入(ゲルマン人の大移動の一部)し、アングロサクソン王国を樹立した。そして最後の6番目はバイキングが1066年ノルマン征服王朝を樹立。
  これだけ複雑に入り組んだのではスッキリとした解釈がしにくい。現代の学問であれば解決出来そうなものを、と思ってしまう。しかし、わが日本人の起源についてだって、南方説、北方説、韓国説、ウラル・アルタイ説があり決定的な解釈が出来ていないのが実情ではないだろうか。そのうちにDNAだ、抗体だなどで解明に近づくと思われるが。
  さて、イングランドがスコットランド、ウェールズ、北部アイルランドの吸収合併について簡単に記す。
イングランドでも百年戦争だ、カトリックだとかであい争っている。以下の各王国でも、同じような状況であるが、その状況を受けて独立運動が発生する。この項の最後の地図を見ていただきたい、ケルト人は初めは全ヨーロッパに分布していたが、紀元1〜2世紀になるとイギリスとフランスの西部に押しやられている。この分布図はそのまま現在の独立運動が起きている地域だ。
スコットランド:イングランドとスコットランドは1603年以来同じ国王に統治されていたが、この合同法によってはじめて、グレートブリテン島全体がロンドンを首都とする1つの国家として統一された。グレートブリテン王国は1707年にイングランドとスコットランドの間で締結された合同法によって成立した。
ウェールズ:1536年、ヘンリー8世のもとでの合同法により、ウェールズはイングランドと合体し、イングランド人と同じ権利、特典をもつことになった。備考)カーナーボン城:ウェールズ北西部の都市、カーナーボンのメナイ海峡にそそぐセイオント川の河口に位置する。イングランド王エドワード1世の命により1283年から建設が開始され1301年に完成した。エドワード1世は、この城で生まれた皇太子に「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号をあたえ、以後、その称号はイギリス皇太子の称号となり、皇太子の即位式はこのカーナーボン城でおこなわれている。
北アイルランド:1707年アイルランドはイングランの植民地へ。1949年北アイルランド以外は英国から独立。北アイルランドでの少数派カトリック教徒の公民権運動は、プロテスタント過激派との武力闘争に発展。しかしその後北アイルランドでの独立運動に対してイギリス政府は1969年に軍隊を投入し、72年には北アイルランド議会を閉鎖して直接統治を開始した。アイルランドと北アイルランドの合同をのぞむIRA(アイルランド共和軍)は、こののちイングランドや北アイルランド各地でテロ活動を展開した。
最近の独立運動は押さえ込まれ自治政府で妥協
スコットランドは1999年5月にはスコットランド議会選挙がおこなわれ、独立をとなえるスコットランド民族党をおさえて労働党が第1党となった。ウェールズ議会選挙でも、労働党が第1党となった。7月、スコットランドとウェールズで、自治政府が発足した。北アイルランド1999年12月、ようやく自治政府が発足したがIRAが武装解除を拒否したため、イギリス政府は翌2000年2月に自治政府を停止した。5月、IRAが武装解除うけいれを表明し、自治政府が再開することになった。
 
▲坂の多い城塞都市              ▲ホテルは領主の館

▲エジンバラ城 スコットランドの独立を願う人々の象徴

▲エジンバラ湾にかかるフォースド橋
英国華やかなりし頃の記念碑。1833年から7年を掛けて建設。全長約2400m、高さ110m、鉄道の高さ48m。構造体のパイプは平板をリベットで繋いで作っている。すさまじい執念には驚かされる。現在この横にハイウェイ用の新しい橋があるが、この鉄道今日の足元に佇んでみれば、産業革命により鉄の時代が到来したことが実感できる。



▲カーロス石畳の街
かつて炭鉱、製塩で栄えた街が静かに佇んでいる

▲ホテルない内にあるレストランにて(ノートン・ハウス・ホテル)
エジンバラに留学していた、天木さんの紹介でこのホテルの泊まったが広大な敷地にあるプライペートな邸宅。レストランではジェントルマンが囁くように談笑している。
 
▲ケルト文化圏(ケルト神話と中世騎士物語 中公新書) ▲紀元1〜2世紀のケルト人の文化圏

                                    現在の社会問題をそのまま映し出している