ヴェズレーのサント・マドレーヌ巡礼聖堂 | |
聖ベルナールが第2回十字軍を演説した聖堂 | |
使徒に使命を与えるキリスト(体系世界の美術11ロマネスク美術 学研) ブルゴーニュの丘の上にある著名な巡礼地ヴェズレー修道院の前室から身廊へ入る門を使徒に布教の使命を与えるキリスト』を表した巨大なティンパヌムが支配している。この場面は、マタイ(28章19−20節)などに記述されていて、全世界に赴いて福音の教えを伝えよと命ずるところである。キリストの巨大な手からリボンのごとき霊気が発して使徒たちの頭につながっており、これは『使徒行伝』(2章3節)の記述にあるような、布教地のさまざまな言語を語る能力が付与されたことを示すのであろう。周辺には異郷の人種、12ヶ月の暦、植物文化取り囲んでいる。評価としては、大胆な幻想力を駆使した豪快、劇的な表現として、この彫刻に勝るものはあるまい。特に全能の力にみちみち、人を畏怖させるほどの厳然たる容貌とポーズを示すキリストは、他にほとんど例がない。使徒たちに、そしてその像を見る人たちに声なき声を持って雷鳴の響くがごとく語りかける。けだし宗教芸術の一極点を示すといえよう、とある。なお像の顔が破壊されたのは宗教戦争によるものかフランス革命によるものだろうか。しかしイエスの顔には手がつけられていないのはキリスト教国の故か、ホッとした。 サント・マドレーヌ聖堂は現在世界遺産に指定されているが、そもそもここはサンチャゴ・コンポステラへの巡礼路の出発点のひとつであったり、第2回十字軍が出発すべく聖ベルナールがフランス王ルイ7世らを前に熱弁を振るったところ。またマグダラのマリアとの関係もありロマネスク関係の調査には欠くことができない場所である |
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▲有名ななるテックスにある最後の審判 |
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▲聖堂内は天井が高く色大理石による装飾があり、柱頭にはロマネスク様式の彫刻がある |
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▲神秘の粉引き車 旧約のモーゼが麦を臼に運び、新約のパウロが臼をひく。他にも有名なロマネスク彫刻あり。 |
▲簡素で美しい柱頭 |
▲タンパンはフランス革命で破壊された。現在の彫刻は新しいもの |
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▲ベズレーの丘 |
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