訪問した街と聖堂 ランスのノートルダム大聖堂(世界遺産)
特徴 最もバランスのとれた大聖堂
高さへの競争
 クリュニー第三修道院がロマネスク様式としては異様な大きさの聖堂を建設した。
 ゴシック様式の聖堂はサン・ドニの修道院長シュジェールより始まった。盛大な献堂式はルイ7世、妃、皇太后、大貴族、北フランスのほぼ全員の大司教、司教が集まった。参加者はこの高さと光の新様式の聖堂を目に焼きつけ、それぞれの聖堂に帰って行った。その後パリは建てられて70年しか経っていないロマネスク教会を取り壊しての再建で、アミアンも実にタイミングのよい火災が発生しての再建であった。各都市の大司教や都市の住民は熱に浮かされて大聖堂の建設ラッシュに突入した。
聖堂の
都市名
建設年
(年)
高さ
(m)
備考
クルニュー 1088起工 30 長さ181m
サン・ドニ 1144完成 20 初期ゴシック
パリ 1163起工 35 初期ゴシック
シャルトル 1194起工 36.6 盛期ゴシック
ランス 1211起工 38 盛期ゴシック
アミアン 1220起工 42 盛期ゴシック
ボーヴェ 1227起工

1322再建
51 1272完成
1284崩壊

5世紀以来フランス国王の戴冠式の場であった

▲聖人は柱から完全に独立し、現前する聖なる存在 になる

西正面の彫刻
13世紀になると彫刻は完全に柱から自由になり、今にも歩き出しそうだ。これらの像はかって彩色されていて、生々しい聖なる像は見るものに理屈抜きで神の世界を信じさせる。ここでは受胎告知、聖母マリアと洗礼者ヨハネの母、微笑む天使が見逃せない。全体のバランスではこのランスが鮮やかさで一番、落ち着きはパリ、華やかさはシャルトル、巨大さはアミヤンであろうか

▲飛梁(フライング・バットレス)により身廊アーチの横への推力を地盤へ導いている

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パリの東へ約100分でこの街に着く。広場で大聖堂を眺めながらシャンペンを飲んだ。琥珀色のシャンペンは爽やかで味わい深いものだった。