ヨーロッパ民主制の起源はローマ、ゲルマンにあり
1、古ゲルマン社会(原始ゲルマン社会):大移動開始前のゲルマン人社会 〜4世紀  
・原住地:バルト海沿岸、ユトランド半島の森林・沼沢地帯
・南下してケルト人を駆逐し、紀元前後頃にローマ帝国国境(ライン川、ドナウ川)に接する。
・史料:カエサル「ガリア戦記」(前1世紀半)、タキトゥス「ゲルマニア」(後1世紀末)
・牧畜・狩猟が主、農業は副(大麦・燕麦などの穀物、エンドウ・カブラなどの野菜)
・定住して小村落を形成
・部族集団(キヴィタス):約50、戦士団、自由民(貴族・平民)と奴隷の身分階層、
 王(1人)または首長(数人)
・民会:最高機関、貴族・平民の成人男子全員で構成、全会一致が建前だが事実上貴族主導
従士制:有力貴族が貴族・平民の子弟を私兵として抱える。
・人口増、耕地不足によりローマ領内へ移住
・ローマとの衝突
<史料> タキトウス「ゲルマニア」より
 大きな事には、人民全員が集まって決める。彼らは新月あるいは満月の頃をきして集会を開く。
これが事を起こすのに最も良いと信じているのである。彼らは武装のままで着席する。
王や長老が、説得の権威をもって発言する。もしその意見が意にかなわないとき、
聴衆はざわめきのもとにこれを一蹴する。しかし、もし意にかなった場合、彼らは
フラメリア(剣)を打ちあわす。
2.ゲルマン民族の移動 4〜6世紀  
・約50の部族集団は10余りの大部族(シュタム)に統合、国王・首長の権力強化
・大部族(シュタム)単位での移動を開始
・東ゲルマン(ブルグント族、東ゴート族、西ゴート族、ヴァンダル族、ロンバルド族、
 ゲピート族)
・パンノニア(ハンガリー平原)や黒海北岸のステップ地方に定着
・西ゲルマン(フランク族、サクソン族、スエヴィ族、アレマン族、アングル族、ジュート族)
・フン族(アジア系遊牧民、匈土?)
375 フン族の西進
376 西ゴート族がローマ帝国領内に移住<民族移動開始>
3.ゲルマン人部族国家の建設  
・西ゴート族:イベリア半島に建国
・ヴァンダル族:北アフリカに建国
・ブルグント族:南フランスに建国
・アングロ・サクソン族:ブリタニア島に建国(アングロ・サクソン7王国)
・フランク族:北フランスに建国
・東ゴート族:イタリアに建国(テオドリック大王)
・ロンバルド族:北イタリアに建国(568 民族移動終了)
2、ヨーロッパ封建社会の成立はゲルマンの従士制とローマの恩貸地制
・封建制度(フェーダリズム)
 封土を媒介とする主従関係
 ゲルマンの従士制 と ローマの恩貸地制が結びつく
       ↓          ↓
   軍役に対して生活保障  奉仕に対して土地貸与

    ―――――(封土)――――→
  主君              臣下
    ←―――(軍役奉仕)――――
 
  ※ヨーロッパにおける封建制度は個人的な契約に基づく双務的契約関係
  (一方的関係ではない)であるのに対し、中国・日本における封建制度は血縁を中心
   とする氏族的関係における片務的契約であるため、内容は異なる。