ヨーロッパの膨張
1、初めに
11世紀以降はヨーロッパの膨張が始まった。イスラムの膨張を抑える戦いが始まった。
@東への進出:十字軍によるエルサレム奪還→失敗し教皇権の失墜=王権の強化
A西への進出:スペインでのレコンキスタ
B北への十字軍:ドイツのエルベ川東側への殖民運動(十字軍によるドイツ騎士団によるキリス教布教)
2、膨張の背景
@農業革命
a、鉄製農機具
*馬の利用による深耕 :収穫量は13世紀には3倍くらいになった→人口3倍
*森林の開墾 :ようやく農業社会の仲間入り
b、三圃制
A商業の発達→都市の発展
農業革命以前のヨーロッパ
農業方法:移動農業が主体。一部でニ圃制が採用されているくらい
農具 :木製なので深耕不可能
森林 :開墾のための鉄製道具がないため開墾不可能、森林は豚などを飼育する場である。
家畜の利用:牛が主体、
農業革命の内容
@鉄製農機具の利用
ヨーロッパで製鉄技術が飛躍的に発展した 製鉄方法の歴史参照
・鉄製犂の利用
・馬の連結とくびき改良により
A 三圃制による地力の回復、牧畜の発展
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11月
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12月
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1月
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2月
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3月
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4月
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5月
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6月
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7月
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8月
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9月
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10月
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冬畑
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冬麦
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収穫
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放牧
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春畑
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春麦
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収穫
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放牧
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休耕
地
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家畜の放牧により地力の回復を図る
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B生産性の向上
種1粒に対しての収穫量(粒数)
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フランス
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イギリス
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ドイツ
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東ヨーロッ
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1200年以前
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3〜3.7
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1200〜1249年
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3〜3.7
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1300〜1499年
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4.1〜4.7
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4.1〜4.7
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1500〜1699年
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6.3〜7.0
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6.3〜7.0
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4.1〜4.7
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4.1〜
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1700〜1820年
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10以上
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6.3〜7.0
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4.7
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ブローデル・村上訳『物質文明・経済・資本主義・15-18世紀―日常の構造』みすず書房(1986)154頁
Cヨーロッパの人口 中世の産業革命 J・ギャンベル 88P
年
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全ヨーロッパ人口
(万人)
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全ヨーロッパ
増加率(%)
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フランス
(万人)
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イギリス
(万人)
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700
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2700
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―
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2000
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1000
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4200
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0
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1050
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4600
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9.5
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1100
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4800
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4.3
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約200(1068)
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1150
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5000
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4.2
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1200
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6100
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22.0
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|
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1250
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6900
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13.0
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1300
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7300
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5.8
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4000(1940)
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600(1348)
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教皇ウルバヌス2世は、1095年クレルモンで第一次十字軍を進言するさい次のように演説した。
『何一つ、財産も、家族の幸福も、あなた方を引き止めることのありなせぬよう。
あなた方の国々は八方塞で、高い山で取り囲まれ海によってへだたてられていて、そんな
大人数のためには狭すぎるのです………………』
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