ハドリアヌスの離宮と山岳都市サン・グレゴオリオ・ダ・サッソーラ
  ハドリアヌス皇帝はは在位21年間の間に属州歴訪の旅を12年間もした。彼はトラヤヌス帝が帝国を最大限まで拡張した版図を、より大きくすることよりも都の反映には維持と帝国の安定が不可分であることを承知していてた。そのための帝国巡視であった。彼は建築家皇帝といわれるほど建築が好きで自らもローマで最も巨大で豪華といわれる「ウェヌスとローマ神殿」を作った。また歴史に名を残している「ブリタニア北部の万里の長城」とでも言うべき、ハドリアヌス長城を築かせた。またパンテオンも再建した。
  さてこの離宮であるが彼が帝国全土をくまなく行脚した中で、印象に残った景色を離宮の中に再現した。ローマ近くのチボリ付近にある、さらに山岳都市の見本のようなサン・グレゴオリオ・ダ・サッソーラへはタクシーで20分くらいだったと思う。
  この山岳都市へはひょんなことから私の隣町の宝塚のお嬢さんと行くことになった。というのは、広大なハドリアヌス離宮にはほとんど誰もいなかったのだが、娘さんが一人で歩いていたので、どこから来たのかとか、これからどこへ行くのかの話になり、私は山岳都市に行くと言って写真を見せたら、是非私もと言うことになりタクシーに同乗した。この様にヨーロッパのとんでもない田舎でも若い娘さんが一人で歩いているのを時々見かけるが私が若い頃では考えられないことだ。
資料 
「逸楽と憂愁のローマ」ヴィラ・アドリアーナ 磯崎新+篠山紀信 六耀社 1981
「イタリア中世の山岳都市」 竹内祐二 彰国社 1991  注)イタリアの田舎を巡るにはうってつけ

▲カノフスに池の列柱と立像。この名は皇帝の愛した青年が投身したナイル川の町の名に由来

▲バシリカ様式の教会を見るようだ        ▲ポイキレの壁体 アテネのストア列柱廊を模した

▲サン・グレゴオリオ・ダ・サッソーラは中世山岳都市の見本ともいえる。まるで海原を走る戦艦

▲街を横から見た

▲街の小路を歩く、面白くて先へと足が向く。まさに都市は大きな家だ
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