ラベンナ-@:ガルラ・プラチディア霊廟
  この霊廟は集中式教会堂の見本、とも言え且つ最古のものだ。外部から見るといたって質素であるが、中に入るとまるで宝石箱だ。この霊廟はラベンナに都を移した西ローマ皇帝ホノリウスの異母妹のために作られた。中には5世紀のモザイクがアラバスター(雪花石膏)を通った光に浮かび上がる。

▲ガルラ・プラテイディア霊廟内部
  下から「水盤から水を飲む鳩」、アラバスターの両側に神の出現をたたえる使徒、紺碧の天空には星がちりばめられ中心にはキリストを象徴する十字架が輝いている。四隅には四福音書記を象徴する動物(人間はマタイ、鷲はヨハネ、ライオンはマルコ、牛はルカ)がいる。
 
▲この外観からは内部の豪華さは予想できない  ▲生命の泉で渇きを癒す鹿
ラベンナーA:サン・ヴィターレ教会
この教会は548年に創建された。外観はレンガ積みの素朴な八角形をした建物であるが、中に入るとモザイクの洪水ともいえる。特にユスティアヌス帝とテオドラ妃の像が有名。
参考資料:きらめく東方 サン・ヴィターレ聖堂 磯崎新+篠山吉紀信 六耀社
磯崎氏は早朝の堂内に一条の光が差し入ると、八角形の求心性ドームにより、光は折り曲げ、取り込まれ複雑な屈曲をし浄土の世界が展開された、と感嘆している。
 
▲外観は八角形                  ▲后妃テオドラは美貌と才知で皇帝を男にした

▲ビザンツ皇帝ユスティアヌスが聖餐用具パテナを奉納する

▲アブラハムのもてなしとイサクの犠牲
アブラハムのもてなしを受ける三人の天使たち(天使はアブラハムと小屋の入り口にいるサラに子供が授かることを告げている)。イサクの犠牲は縛られたイサクと代わりの羊。なお、三人の天子(三位一体の象徴)がいる机は逆遠近法で描かれている。

▲プレステリウムには絢爛豪華なモザイクがびっしり

▲神の子羊のメダイヨンを担う天子 (この時代ではイエスの象徴として描かれている)
ラベンナーB:サン・タポリナーレ・ヌオヴォ・バシリカ聖堂
  この聖堂の創建はゴート族のテオドリクスが侵入した493年から死亡した526年の間と思われる。彼はアリウス派を信じていたので、当然アリウス派の教義に従って作られた。しかしその後ビザンチン帝国によりラヴェンナが占領されてからはユスティニアヌスの命令で正統派に変更された。
  この街には、この聖堂をはじめバシリガ式の原型を見ることが出来るとともに、集中式聖堂もサン・ビターレ聖堂、ガッラ・プラチディア霊廟があり、いずれも世界的にみても最も古く豪華である。また描かれている絵はモザイクによるため変色がしない。
 
▲外観                ▲聖者の行列(部分)

▲玉座のキリスト

▲聖者の行列

▲3人のマギと玉座の聖母

▲玉座の聖母

▲聖女の行列
ラベンナーC:サンタポリナーレ・インクラッセ・バシリカ聖堂
  この聖堂は町の南約5Kmにある。少し離れているが是非訪れたいところ。この様に初期バシリカ形式のアプスを見ることが出来る。
 
▲外観                           ▲クラッシックなバシリカ様式
 
▲アプス上部
このモザイクは6世紀に作られている。上部中央には十字架の円盤がある。十字架の交点にはキリストが遠慮気味に描かれている(キリストを人間の像として描いた初期的なものではないだろうか)。十字架の上にはΙXΘΥC(イエス・キリスト・神の・御子・救い主の頭文字)、下にはSalus Mundi(世界の救済)。最上部には雲から姿を現したモーゼとエリアが描かれている。中央の三匹の羊はキリストの変容の承認であるペテロ、ヤコブ、ヨハネだそうだ。
 
▲聖アポりナス

▲アプスの左側のテンペラによるモザイク様の絵(サン・ヴィターレに類似)

▲アベル、メルキゼデク、アブラハムの犠牲(7世紀後半)
ラベンナーD:アリウス派洗礼堂
  東ゴート王テオドリクス(在位493〜526)がラヴェンナ占領後に最初に築いた建造。ゴート族はアリウス派を信じていたが、ゴート族がラヴェンナから追放されると正教に奉献し直された。アリウス派は異端の憂き目に遭うのでヨーロッパで残っているのは珍しいのではないか。

▲かつては洗礼堂はこの様に独立していた

▲キリストの洗礼
  キリストはヨルダン川に下半身を浸し、キリストの左側にいる洗礼者ヨハネは右手をキリストの頭に置き洗礼を施している。ヨルダン川は厳格な老人として擬人化されている。洗礼の場面を囲む円には12人の使徒が描かれている。ペテロ(玉座の向かって左)とパウロ(向かって右)に随って5人づつの使徒が王冠を持っている。
備考)
 ラベンナには正教徒洗礼堂がある。私は上記アリウス派洗礼堂に洗礼槽があると思っていた。しかし無くてがっかりしたが、後で正教徒洗礼堂には洗礼槽があることが分かり、悔しい思いをした。古式の洗礼堂には洗礼槽があることは、フランスのポワティエにあるノートルダム・ラ・グランドで確認した。
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花咲く緑の野原には聖アポりナスが祈りのポーズで佇んでいる。彼はトウニカ(長上着)の上に「雄弁」の象徴である金色のミツバチをデザインした上祭服を着ている。