ローマ
  イタリアという国は1870年に統一されるまでは、西ローマ帝国が崩壊した476年以来存在しなかった。その間、ゲルマン人、フランク帝国、神聖ローマ帝国、フランス王国、ノルマン人、スペイン王国、それにローマ教皇などヨーロッパの全ての国が由緒ある温暖な国を欲した。マキャベリーが嘆きゲーテが礼賛した。
  さてこの章を書くに当たって焦点を絞ったのはフォロ・ロマーノを中心とするローマ時代の建築遺跡にした。この建物群は以後教会の建物の基準になり、ルネッサンス、バロック時代の基となるからだ。今後は初期キリスト教の聖堂に焦点を当てて、ロマネスク、ゴシック様式との隙間を埋めたい。

参考)イタリアの初期キリスト教聖堂 静かなる空間の輝き 建築巡礼 香山壽夫・玲子著 丸善

▲フォロロマーノ

▲セプティミウス・セウェルスの凱旋門の向こうには聖なる道 203年パルテリア人に対する勝利

▲元老院                         ▲サトゥルヌス神殿

▲ティトゥスの凱旋門 エルサレム征服記念  ▲マクセンティウスとコンスタンティヌスのバシリカ
 
▲サンタ・マリア・イン・コスメディン聖堂 12,13世紀  ▲トラヤヌス帝の記念柱 113年完成

▲トラヤヌス帝の記念柱 ダキア人に対する勝利の記念碑 200mの巻物に2500人が刻まれている

▲パンテオン 内部は高さと直径が同じ43.3m。 アグリッパが作ったが消失、ハドリアヌス帝再建
 
▲パンテオンの柱はエジプト産の御影石の一本柱 ▲ハドリアヌス神殿 柱の高さ15m、直径1.45m

▲コロッセオ 5万人収容できる大闘技場 長径188m短径156m高さ50m
 
▲サンタ・コンスタンツァ廟堂 集中式聖堂の最古  ▲ヴェスタの神殿 BC213 トロスの代表

▲サン・ピエトロ寺院
4世紀に始まりブラマンテ・ラファエロ・ミケランジェロなどが参加し1626年に完成した。特に大円蓋はミケランジェロにより高さ132.5m、直径42mで仕上げられた。

▲サンピエトロ広場の回廊
  バロック様式の大家ベルニーニにより1656年建設開始。長径200mの楕円広場には248本の円柱と88本の角柱が立つ。この巨大な空間と構造物はローマ皇帝の記念碑を思い起こさせる。中央にはカリグラがエジプトから運ばせたオベリスクが建つ。
 
▲ボッロミーニのサン・カルロ・アッレクァットロ・フォンターネ聖堂 ▲ローマの尼さんはカッコイイ!
なお、同じキリナーレ通りにボッロミーニの好敵手ベルニーニが手がけたサンタンドレア・アル・キリナーレがあるので見ておきたい。
参考)バロックの真珠 磯崎新+篠山紀信 六耀社
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