地名:ミシュタイヤ修道院(カロリング朝)
  ロマンシュ語によるミシュタイルの地名はラテン語の修道院を意味するモナステリュウムから来ている。この地では現在でも古代後のロマンシュ語が話されていて、第4の公用語だそうだ。そもそもこの様な山の中になぜ修道院があるかといえば,カール大帝がイタリアのロンバルディア地方に進出するために開かれた前線基地兼宿泊所といったところだろうか。ちなみにカール大帝は800年に戴冠しヨーロッパを作った男と言われている。

▲この修道院はあと数キロでイタリアになる細い谷あいの町にある。私はチューリッヒからサンモリッツまで汽車で、その後バスに乗りようやくこの村についた。先ずお花畑を横切り谷の反対側の傾斜地へ行き、そこから修道院をゆっくりと眺めた。静かな谷間にずうっと昔からあった大木のように修道院が建っていた。なお、そこにはおあつらえ向きに野生のサクランボがたわわに実を結んでいるではないか、昼食はサクランボだけで大いに満足した。

▲修道院の聖堂には9世紀カロリング朝やロマネスク時代のフレスコ画が描かれている。これらの絵は19世紀に壁画を描いた際に、塗りこまれてしまった。しかし1894年と1947年からの補修工事の際偶然発見され、現代によみがえったそうだ。特にカロリング朝のフレスコ画は大変珍しいもの。



 
▲ロマネスク時代のフレスコ画。サロメの所望によって洗礼者ヨハネの首がはねられた。

▲この地方独特の壁の衣装

▲宿は13世紀の修道院であったもの、とか。
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