イスタンブール
ビザンティン帝国を代表する建築である.神を意味する「聖なる(アギア)叡智(ソフィア)」に捧げられた。現在この聖堂のある位置に、もともと5世紀に同じ名前の聖堂があった。有名な「ニカの反乱」により消失したが、この乱を平定したユスティアヌス帝は威信をかけて直ちに再建に取り掛かり、5年後の5371227日に大聖堂の献堂式が執り行われた。規模は奥行き78m、幅72mで、ここに直径33m。高さ55mの大ドームによって覆われている.。
  中は絢爛豪華なモザイクによって覆われていたが歴史を重ねるうちの朽ちてなくなる物もあった。特に1453年オスマン・トルコに東ローマ帝国が滅ぼされるに及んで、相当部分のモザイク失われた。外部にある四本のミナレット(尖塔)や、内部のコーラン文字はイスラム教時代のもの。現在われわれが目にすることができるモザイクは漆喰の下から復元したものだが、これはこの建物があまりにもすばらしいためか、イスラム教が他宗教に対して宗教的に寛容であったためかであろう。
  1930年代に宗教性を持たない文化財になっている。
  余談になるが、後世フィレンツェの大ドームをかける際に建築家のブルネッキ―も参考にしている。なおこの建物を作る際にはローマのパンテオン(直径52mの大ドーム)を参考にしたのではないか。
  なお、すぐ隣り合わせのアギア・イリニ聖堂も同時代の建築なので鑑賞したい。

▲ビザンティン帝国の象徴アギア・ソフィア大聖堂

▲ドームによる大空間はキリスト教とイスラム教が混在

▲聖母子と皇帝コンスタンティヌスとユスティアヌス
・アギア・ソフィア大聖堂南扉口モザイク 10世紀末
 南玄関から入った内側の入り口上部にあるこのモザイクは中央に背もたれのない椅子のマリアがイエスを抱いて座っている。右側にコンスタンティのポリスをささげているコンスタンティヌス帝、左側には大聖堂をささげているユスティアヌス帝がいる。

▲キリストの前にひざまずく皇帝レオン6
・イスタンブール,アギア・ソフィア大聖堂のナルテックス・モザイク 900年ころ
  玉座に座すキリスト、メダイオンには皇帝をキリストに執りなす聖母マリア、キリストを守る天子。キリストの足元には皇帝がひざまずいているが、聖堂の敷居をまたぐものすべてに身をかがめることを定めた、ビザンティンの風習を示す。

▲聖像論争でイエスを偶像として描くことを憚った時代の証人として重要。



 
聖母子 アギア・ソフィア大聖堂 867年以前 ビザンティン時代の像は聖像破壊運動や、1453年以降のオスマン・トルコによる聖像の破壊や漆喰壁による隠蔽があったため非常に少ない。この像は画像復活の勝利を謳う最初のものである。この時代になると十字架の装飾に変わって聖母が宝石をちりばめた玉座に座っている。キリストは黄金の衣服をまとっている。

▲ キリスト 南階上廊モザイク13世紀後半
・キリスト(デイシス部分) アギアソフィア 南階上廊モザイク13世紀後半
 この像が作られたのは悪名高いラテン帝国(第四回十字軍でベネティアの商人によって操られた宗教的理念の全くない十字軍)から首都を奪回した折に記念として作られた。デイシスは祈りを意味し、左右(写真では見えないが)の聖母と洗礼者ヨハネが最後の審判を行うイエスに対して、一人でも多くの人々を救うよう執り成している。

▲夜空に浮かび上がるアギア・ソフィア大聖堂は幻想的でしばし時のたつのを忘れさせる
アギア・ソフィア大聖堂を一望できる、ホテル・アルカディアのレストランのテラスからの景色は圧巻である。夜の9時ころからライトアップされアヤソフィアとともに幻想的に夜空に浮かび上がる。さらにコーランの祈りが夜空にこだまし、この世とは思われない雰囲気になる。イスタンブール訪問の際は是非こちらでのディナーをお勧めしたい。

▲ライトアップで浮き上がるスルタン・アメフト・モスク(愛称ブルーモスク)
 モスクの上には黄金の鳥が乱舞する
地名 カーリエ博物館{前進は聖救世主教会(チョラ)

・当修道院はテオドレ・メトキテスによって建設された。この地には古くから聖堂があったが、彼によって大改修が図られた。彼の運命は歴史に翻弄されるが、最後は修道士になってこの地で没した。1313年にはモザイク、フレスコ画などで荘厳されたが、1500年にはモスクに変換され、その際モザイクなどは漆喰で塗り固められた。その後1948年から復元工事が始まり往年の輝きを取り戻した。これだけ多くのモザイクが一堂に会して鑑賞できるのは有難い。

 
▲カーリエ博物館   
  
▲メトキテスがキリストに教会を捧げている 
 
▲キリストの系図(拡大写真)        

▲聖母マリア
(テオトコス)の死
 
▲天国への鍵を持っているペテロ         ▲パウロ

▲キリストとマリア

▲アヤ・ソフィア()とスルタン・アフメト・モスク()をガラタ塔より
・新市街から夕暮れのイスタンブールを望む
  この塔よりはイスタンブールの市街地がパノラマで見渡せる。夕暮れが始まったところであるが、相棒が空腹を訴えるためやむなく夜景が見れず 

▲内部は青色のイズニック・タイルで装飾されている
・スルタン・アメフト・モスク
(愛称ブルー・モスク)1616年完成。ドームの高さは43m、直径23m260のステンドグラスを持つ。ミナレット(尖塔)6本ありメッカの7本に次ぐ。

▲地下宮殿といわれている地下貯水槽
・地下宮殿といわれている地下の貯水場は、幾つもあるらしい。現在公開されていつのは532年に作られ長さ140mに空間に立派な石柱が336本も立っている。

▲かつての地下貯水槽はレストランとしてよみがえった
 工事中に地下宮殿が発掘されレストランになっている。薄暗いキャンドルに浮かび上がる空間は何ともいえない雰囲気だ、推薦の店です。アヤソフィアの裏にある「サルヌチ」

▲船着場のバザール

▲市場
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