虎渓山永保寺 日本庭園の原点 鎌倉時代 池泉舟遊・回遊式
岐阜県多治見市虎渓山町1−40
  この庭は夢窓国師が最初に庭を作ったのもので、1314年40歳で作った。西芳寺、天龍寺に先立つこと25年前である。この地は土岐川の曲がったところに突き出した山の上にあり、禅郷の地としては最高である。池には大きな中島がなく後の天龍寺の地割そのものである。特徴付けているのは無際橋といわれる反橋である。これは平安時代では俗界から極楽浄土の世界へ入るものであった。ここではその伝統を受け継いでいるが観音堂の観音の悟り世界に至ることを意味している。次の特色は梵音岩といわれる巌である。この巨大な巌は古代以来信仰の対象であったろう。しかもここから滝が流れていて、深山幽谷の趣だ。次には西側の山の上にある坐禅石だ。ここからは視界が開け気持ちがいい。ここから梵音岩を流れる滝の景色は、将に苔寺で坐禅石から龍門瀑を見る景色と構図は同じである。
 永保寺では虎山ご住職から開山堂、観音堂、そして雪の坐禅石をご案内いただいた。そこでは全山があたかも中国の聖地・廬山の風景である、ことや瑞霊巌についてなど漢詩を吟じながらのご説明を戴いた。

坐禅石より国宝観音堂(手前)と再建されつつある庫裡(右奥)と本堂(左奥)

再建中の庫裡(画面右)と本堂(方丈)

坐禅石から観音堂、梵音岩、無際橋を望む

雪の坐禅石

梵音岩の滝

幼稚園の園児が国宝観音堂の見学。これぞ活きた学習だ

無際橋にて

観音堂(国宝)、梵音岩、無際橋(坐禅石は写真左側の松の枝の後ろにある)

観音堂(国宝)、梵音岩、無際橋

無際橋

ライトアップされた観音堂と無際橋(永保寺提供)

観音堂内の観音は土岐川の流木による仏龕。向かって右側は滝を現す

国宝・開山堂内部

▲宝篋印塔               ▲仏徳禅師像              ▲夢窓国師像

▲国宝開山堂の天井構造。天井板が無いため広く感じる。精緻な構造体

梵音岩と観音堂、鶴島



▲梵音岩と飛瀑泉
 
▲滝は二筋に分かれている                  ▲左滝の拡大
 
▲右滝のハイスピードシャッター              ▲右滝のスローシャッター

飛瀑泉

水面に影を落とす無際橋

  反橋の中央に橋殿があり大変優美であるが、これと同じと思われる反橋が西芳寺の邀月橋(ようげつきょう)、金閣寺に拱北廊(きょうほくろう)、銀閣寺には龍背橋があったが、いずれもこの橋の伝統を受けている。

虎渓の石橋  
坐禅石に行く時に渡る三笑橋は禅物語として仏教、儒教、道教融合の逸話がある。
小雨の上がった夕暮れほとんど訪れる人がいない。夢窓国師が日本庭園を禅の悟りの場所として作ったのだ、ということが分かるような気がした。ここから日本庭園は精神性を求めるようになる。

紅葉のこみちを歩く

土岐川
の瑞霊巌

上記瑞霊巌は土岐川と直角になっている。古代の磐座に違いない

瑞霊巌が土岐川に接するところには坐禅窟がある

保壽院枯山水よりの大銀杏
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