普賢寺 枯山水式龍門瀑 |
山口県光市室関-6-1 電話:0833-79-1223 |
光市にある当庭園は三つの意味で注目される庭である。簡素で堂々とした庭の歴史的要素を考える 1、最も初期の枯山水庭園 枯山水庭園は室町時代の塔頭から発生したと言われている。京都が応仁の乱で荒廃したときにその文化が地方に流れたといわれている。このような広い敷地にもかかわらず、池泉式庭園でなく枯山水庭園であることに興味がある。 2、雪舟庭園か 山口県には雪舟伝説の庭が多くあるが、雪舟が京都を逃れて山口に住んでいたことによる。有名な庭としては常栄寺、萬福寺、医光寺であるが、当庭園を拝見した瞬間に雪舟寺の感を強く感じた。 @鯉魚石が離れた位置にある龍門瀑:常栄寺との類似性があり、龍門瀑としては特異な形態である。ただし、この離れた位置にある鯉魚石風の石は後世に改修し易い条件にあるので、一考を要する。 A伏せ石が使われている:龍門瀑の左手前にある伏せ石(長さ:450cm、高さ:102cm)は古典庭園の中にあって特異な存在である。ただし雪舟庭園といわれる上記三庭園には伏せ石が採用されている。当庭園の伏せ石はそれらの三庭園より際立って大きく存在感がある。 3、重森三玲の原点的庭園 @枯山水:手前を広く取った枯山水の形態は重森を思わせる A枯滝が生家の庭の構成に似ている:この豪華な滝は生家の庭の雰囲気だ。ただし、生家の庭は大正13年の28歳のときの作品とされている。もし、今の庭が後年改修されたものでないと仮定すれば、重森は当普賢寺をまだ見ていないと考えられるので、構成が類似性であっても偶然の一致となる。 B東福寺方丈の伏せ石:450cmの横石は度肝を抜くが、古典庭園では当庭園以外では南宗寺以外では採用されていない。 |
▲全景 |
▲約2m三尊風枯滝は質実剛健の一語に尽きる |
▲滝から離れた位置にある鯉魚石 |
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