神宮寺  最高傑作の石組み
兵庫県三原郡南淡町沼島
沿革

庭園
沼島は中央構造帯にかかっているため、兵庫県で唯一緑泥片岩の露出する場所である。一般的には阿波、紀伊の緑泥片岩が有名であるが、この島にも豊富な庭石が産出する。庭園を作るのに有利な土地柄とはいえ、権力者がいなければ庭園を造ることができない。寺伝では梶原敏影が石清水八幡宮を勧請した時に造園されたといわれている。
 この特徴的な石組は単に豊富な石が産出する、という地理的な問題ではなく、特殊な時代と作者の関係で生まれたのだと思う。その際に参考になるのが徳島県にある旧阿波国分寺であろう。
 山畔を活かした石組は古典的な鶴亀石組から離れた、近代的な造形を求める精神かに由来するのではなかろうか。

▲全景

▲中央部拡大

▲右側よりのアングル

▲左側よりのアングル

▲山畔に組まれた石組は倒れているが、頭の中で石を起こしてみるのも楽しい

▲中央部の枯滝

▲梶原五輪塔 梶原水軍は平家方であったが頼朝を助け、一生彼を補佐する忠臣になった

▲墓周辺にはかつては庭園であったであろう、庭石が散在している

▲墓の背後には青石がふんだんに露出している
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