小倉家庭園  故郷で純粋培養された庭
岡山県上房郡吉備中央町賀陽大字黒山
  重森三玲昭和26年の作品。戦後、最初期の作品。
いつ訪問しても、きれいになっている。また奥さんは心から歓迎してくださり、安心して庭園と庭園の生まれた環境を堪能することが出来る。庭園は一部の特権階級の所有物でなく、欲すれば叶えられるとの好例である。
  重森の故郷である。自然の真っ只中に忽然と人工的な造形物がある。自然から隔離された一画に人間が作った作品がある。しかも、石・白砂・苔の三要素。形も自然界にあるものではない。これぞ「芸術」といえないだろうか。 当庭が岡山県の山奥に存在し続けたのは、施主の庭園に対する愛情と献身の賜物であることは勿論であるが、自然の真っ只中に人工的な造形物が反自然的であることを、命の証として主張し続けている、からではなかろうか。不思議な空間だ。故郷で純粋培養された庭。

溢れる自然と好対照の人工造形。なお、焼きを入れた黒い板塀は両造形の区切りを一層引き立てる。


固い印象の石組みを苔地が和らげる

自然の恵み

左側の石組は龍安寺の鶴島と似ている

中央の主石はもとより、左端の小石と右側の立った小石小石は下に示した龍安寺の石組と考え方が似ている。また奥の島の山形の横石も龍安寺の壁際の石と似ている。

龍安寺の石組

右側の石組は亀島か
 
手前の島の突起した小石の役割             壁際の富士山型の石こそが蓬莱山で中心石だ
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