三尊岩組の系譜
三尊仏は一般的には仏像、仏画で中央の中尊と左右に侍立する脇侍(きょうじ)の総称としてつかわれる
 不動三尊  :不動明王、金伽羅(こんがら)・制た迦(せいたか)童子
 阿弥陀三尊:阿弥陀如来、観音・勢至菩薩
 釈迦三尊  :釈迦如来、文殊・普賢菩薩
 薬師三尊  :薬師如来、日光、月光菩薩
庭園においては上記のような宗教的尊像としてよりも、変化がありながら形が安定しているから、ほとんどの庭園で採用されている。

▲名古曽の滝  現在見ることが出来る最古の滝(岸辺から70〜80m奥)
 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなお聞こえけれ  藤原公任

▲西芳寺中島の三尊岩組みは後世の庭園の見本となる

▲西芳寺上段の碑亭跡の亀島  
  おむすび形の石は金閣寺、二条城、三宝院、金地院、西本願寺で多用される

▲金閣寺の芦原島(金閣から見える)

▲金閣寺・芦原島 には三尊石が三つある。入口側の松の左右にある

▲金閣寺の入亀

▲銀閣寺東求堂前の白鶴島(東求堂より眺める)

▲二条城の蓬莱島にある大きな三角形の石を中心として

▲三宝院の藤戸石を中心として。このほかに亀島の亀甲石を中心とした三尊石組もある

▲金地院の亀島にある亀甲石を中心とした三尊岩組(亀甲石は上記三宝院と瓜二つである)

▲円徳院の三尊岩は幾重にも襞が入った名石

▲向嶽寺(山梨県) 山裾の最上部に巨大な三尊石が全庭園を睥睨している

▲青岸寺  中央の阿弥陀如来が一歩前に出ていて来迎的な組み方をしている

▲本法寺 
  仁王のように立つ二本の立石の間に、水落石は後ろに倒されている。この立石は禅寺では不動石、観音石を意味するが、ここは日蓮宗なので宗祖日蓮聖人と開祖日親上人を表しているのではないか。

▲妙心寺・東海庵 
 中尊石(守護石または不動石の名が付けられている)はやや後ろに反っていて枯滝を表している

山田家(長野県中野市) 石の大きさ(高さ253cm)、石の質、バランス何れも日本一

▲東福寺・光明院  重森三玲氏の作

▲村上家(西脇市) 主石は陰石をかねた陽石、ともいえる貴重な岩組みである。枯龍門瀑でもある

▲田茂井家(京丹後市) 複雑な皺が入った迫力のある巨石