5現代枯山水の祖「重森三玲」の功績
@地割の多様性
@・1 極端に奥行きの少ない庭
@・2 極小の庭
@・3 やや小さな庭の地割はワン・イッシュウの造形
@・4 大きな庭には多島式地割で分散と統合を図る

A 工夫した独創的造形
A・1 連続的に変化する立体造形
A・2 錯覚の利用
A・3 ユニークな造形
  ・廃物利用の庭
  ・壁面に水墨画を描く

B 独創的な庭園周辺の造形
洲浜、延段、竹垣、網干模様、網代模様、洗い出し手法、色彩の砂、色彩セメント、彫金の引手、襖の模様、連子窓、市松模様など
 現代における日本庭園とはどのような存在であろうか。
 多くの人々は日本庭園とは苔寺・天龍寺・金閣寺・銀閣寺・龍安寺そして桂離宮を鑑賞(見学)してしまえば、それで終了ではなかろうか。しかし過去の歴史をなぞるだけでいいのであろうか。
 これらの庭は確かに心の故郷であるべきであるが、これらの庭は、現代において我々の日本庭園と言えるのであろうか。
 これらの庭園は王侯貴族や大寺院、また大名の庭だ。広大な敷地にあれこれ目を楽しませる仕掛けがしてある。山の麓にあり水の便のいい場所だ。このような国家プロジェクトのような庭(現代では万博の庭)と普通の神社仏閣の庭でも比較が出来ないほどの条件的な差がある。ましてや個人庭園では議論が出来ない。
個人庭園の条件を考えてみよう。
@小面積である(東西の細長く、南北に浅い)
A水の便が悪い
B予算が少ない
このような場所の庭と苔寺や金閣の庭を同列に議論できるであろうか。
比較することは、ほとんど意味がない様な気がする。しかし、工夫をすれば面白い庭が出来ることを示した男がいたのである。重森三玲だ。
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