宗隣寺

何といっても八本の列柱が魅力である。山畔を利用した石組みと横長の池庭があり、池には8本の鋭い形の石が2列に並んでいる。一般的に夜泊石といわれるが、庭の中心にあるこの特異な造形は蓬莱山から宝物を得るためというよりは、大自然の造化の妙に感動した造形物とも考える。この池には水面を上下させる仕掛けがあることから、山口県の長門市にある青海海岸を象徴した庭ではなかろうか。その理由を『作庭記』より引用する。国々の名所を思いめぐらして、その面白い所々を自分の考えに取り込んで、大体の姿をその所々になぞらえ、素直に立てるべきである」と記している。次に島姿の中で「干潟」については「干潟様は、塩の干あがった跡の様に、半ばあらわれ、半ば水に浸ったようにして、自然に石が少々見えるのである。樹はあってはならない」とあり、当庭の現状とマッチする。



写真は長門市経済振興部商工観光課 観光振興係から提供していただいた
    総合TOP  ヨーロッパ紀行TOP 日本庭園TOP