徳迎山 正法寺  名刹にひっそり佇む二つの名庭
京都府八幡市八幡清水井73  電話:075-981-0012 (予め予約する)
公開日:1月(24・31日)、2月(14日)、3月(1日)、4月(3・4・5日)、5月(16・17日)、6月(13・14日)
       9月(12・13日)、10月(3・24・25日)、11月(21・22日)
沿革
  今から約820年前に天台宗の寺として開創されたが、室町時代に浄土宗に改宗され、後奈良天皇の帰依を受け1546年には勅願寺になった。
  江戸時代になると志水宗清の娘お亀が家康の側室(相応院)となり、尾張徳川の藩祖・義直の母となった。以来当寺は尾張藩の厚い庇護を受けた。
  当寺の本堂・唐門・方丈は重要文化財、小方丈・書院・鐘楼は京都府指定文化財。
庭園
寺宗に因む阿弥陀三尊来迎の庭
 当寺は浄土宗であるため、作者の吉田清史氏(重森三玲の弟子)は「阿弥陀来迎」にテーマをとった。現代の庭であるが宗教に根ざしたテーマどり豊かな庭である。
 中心に阿弥陀三尊像を配し、その周りにに二十五菩薩の眷属が舞っている。阿弥陀三尊像はゆったりと来迎の雲に座っているが、眷族は楽を奏でながら賑やかに迎えに来る。また極楽を連想するように三尊の後ろには金木犀があり黄金に輝きながら芳しい香りを放っている。更にその後ろには桜もあり楽しい極楽を象徴している。石組前のツツジは短く刈り込まれているが、来迎の雲を表している。また更なる仕掛けとして石組の手前にある放射状の意匠は阿弥陀様から発せられる光明である。この石は手前の白砂部分と奥の植栽部を仕切る柱状の葛石であったが、これを綾線を上にして放射状に配置したのである。

山畔に組まれた江戸時代の庭
{京都府指定(名勝)}
 小方丈と書院に面した江戸時代の庭。背後の山畔を利用し稜角のある石を立体的に積み上げている。山畔の下には建物に沿って横長の池がある。
 石組の間には植栽が無いように手入れされているため、あたかも枯山水の庭の趣だ。小書院の前は護岸も含めると5、6段にも組まれ迫力のある石組である。書院よりの山畔には枯滝が落ちてこの庭の中心になっている。

唐門と背後の正法山

新緑の正法寺

方丈前の「二十五菩薩来迎」の庭

阿弥陀三尊を中心とした諸眷族が躍動的に組まれている

上記拡大(三尊の背後には金木犀が光背のようにある)


極楽浄土

楽を奏でて

阿弥陀如来と眷属




五色の雲の中からの阿弥陀如来

中央部拡大

阿弥陀三尊と眷属

阿弥陀如来の光明が輻射されている

光明のデザイン


京都府指定名勝

枯滝

圧巻の山畔石組
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