正智院   重森三玲・昭和27年の作品  国登録記念物指定
和歌山県伊都郡高野山町高野山159  電話:0736-56-2331
沿革
  当院は永久年間(1113-7)学僧教覚正智坊によって開基せられ、当山中興の道範大徳は高野八傑の1人であり、聖僧・学僧等が相次いで傑出した由緒深い山内随一の寺院である。有名な国宝文館詞林、不動明王、五銛鈴その他仏像、仏画・典籍を多数所蔵している。
庭園
 何といっても巨大な明神岩を抜きにしてはこの庭を語れない。重森はこの明神岩を主役に添えて、その手前に約60石の石組みをした。そもそも高野明神(狩場明神)は空海が密教の道場を探しているときに、今の五条市周辺で二匹の黒犬を連れた狩人に出会った。この狩人こそが高野山の地主神であったが、彼に導かれて高野山に空海は道場を開いた。空海は既存の宗教である神道をも包含して、仏教を広めた。そのため伽藍の中に明神社があり、今でも「御社」と呼ばれて丁重に祭られている。
  蛾蛾たる明神岩の前に北宋画式の石組みをし、周辺は苔と白砂による州浜をかたどっている。

▲磐座(いわくら)であろう高野明神

▲明神岩が主石といえる

▲新緑に萌える

▲林立する石柱

▲閉ざされた空間に自然の神と芸術の庭が同居している

▲三尊石に石組み
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