唯念寺 室町時代
滋賀県犬上郡豊郷町四十九院
 重森が発見した庭であるが、庭園史体系によると約430坪のにはは本来池泉式庭園であったと思われる。現在は荒廃しているが、随所に名庭であった片鱗がうかがえる。特に中央の須弥山風の構造物は古調で鎌倉時代の様子を残している。地割を見ると愛媛県西条市にある保国寺とそっくりである。保国寺は鶴島などが失われているが、唯念寺の地割からおおよその地割が想像できる。すなわち、中央の築山の左側には枯滝があり(現在は失われているが堅牢な敷石が残っている)右側には須弥山石組みがある。向かって左側には軽い出島が二つあり、池の中央には亀島と鶴島があった(現在は殆ど失われているがその片鱗はある)。亀島は枯滝に向かって進んでいる。

▲左側の二つの巨石は出島の先端の石。右手前の扁平ないしは鶴島、奥の立石は亀島であった

▲中央には須弥山石組みのみが残るがその向かいには枯滝が落ちていた。左は出島の一部、右側が亀島の亀頭石か。

▲出島の先端にある石は坐禅石のように感じられる(高さ・直径とも約1m)。

▲仰ぎ見る須弥山石組み(約2.3m)

▲水平に見た須弥山

▲側面から見た須弥山

▲渓谷に並ぶ枯滝(今は無いが)と須弥山石組みと坐禅石
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