八木家  重森最晩年の作品( 昭和49年78歳) 
京都府京都市東山区清水道  非公開
  重森三玲氏は晩年には比較的巨大な庭園を作った。しかし当八木家の庭は比較的小さなところにぎっしりと石を組んでいる。大きさの割りに迫力を感じるのは阿波の青石を採用していることもあるが、四方を壁や竹垣で囲まれていることにあるのではなかろうか。周囲との縁を切ったところに庭園本来の石組の面白さが抽出されるからではないか。このようなスタイルは、春日大社(最初期のS9)、石清水八幡宮(S27)、少林寺(S29)にあったが、八木家で(S49)再び採用した。重森の庭は基本的には石、苔、白砂の三要素である。その思想を際立たせるために、庭の周りを重森のデザインによる竹垣で囲って重森の宇宙を創出している。コンパクトであるが夾雑物がなく端的に重森の世界を表現している。ただし、当家は個人所有の庭なので潤いを持たせるために躑躅を植えて安らぎを与えている。下の写真を頭の中で躑躅を消去してみると東福寺・本坊の庭に見えてくる。

▲七五三の庭全景  最奥:3石、奥から二列目:3石(1石は離れている)、奥から三列目:2石、最前列:5石。前から2列目の2石を背後の3石と合わせれば5石になり、最前列の5石と合わせれば7石になる
、凝った七五三の庭である。

▲書院からの全景

▲右側よりの全景

▲州浜と苔で覆われた出島とが自由な曲線を描く  白砂と赤砂の州浜模様  

▲庭園背後から

▲表庭
   総合TOP  ヨーロッパ紀行TOP 日本庭園TOP