興禅寺(重森三玲の看雲庭・小口基實の昇龍の庭、須弥山の庭・江戸時代の万松庭)
長野県木曽郡木曽福島町5659  電話:0264-22-2428
@重森三玲の看雲庭
  重森は海のない信州に海洋の象徴として用いられてきた白砂を、雲を象徴する、とのアイディアを思いついた。しかし白砂に15石では竜安寺のコピーになってしまう。重森はイミテーションを嫌う.そこで思いついたのが雲紋にアクセントをつけるために、砂による雲紋とは別に白いコンクリートによるアクセントである。この模様は四角い壁とは対照的に、自由な曲線を描き、硬さを和らげ、自然の雲や山と調和した。
  このようにして完成した雲紋のデザインは京都の東福寺(龍吟庵)で更に発展する。尚、海景の景色ではあるが丹波の住吉神社では三段階の波のうねりへと発展してゆく。
A小口基實の昇龍の庭(登竜門)・須弥山の庭(九山八海の庭)
  巨石をふんだんに採用した剛健な庭は造形としては大変気持ちがいいものである。武学流の造園手法を収めた小口基實氏の力強い作品だ。また、九山八海」の庭もあり、その仏教思想に思いをはせるのも面白い。
B江戸時代の万松庭
  山畔を利用した池のある庭

▲市松模様のテラス(日根氏提供)
  テラスから庭を眺める、といった観賞の仕方は現代的である。この様式は大阪城の豊国神社や長野市の
北野美術館でも採用している。

これぞ自然を超えた人間の自然だ。まさに重森の唱える芸術論にぴったりの庭である。

上記写真より高いところから撮った(鑑賞者の視点ではないが重森の設計思想が解りやすい)

▲雄大な景色。見ているだけで大らかな気持ちになる。

 木曽谷の雲海から嶺峯が一部出ている様を抽象的な手法で表現した。

やや露出不足気味の撮影すると雲紋が鮮やかに浮き出てくる

右端の小さな石組は左側の四石の動きを受け止めている。この手法は龍安寺にも見られる。

▲手前の七石は「作庭記」の逃ぐる石あれば追う石ありを彷彿させる。

▲砂紋、雲紋を入れれば更にすばらしい景色になる

テラスから向かって左側の二つの気勢が中央で合体して、右側の壁に向かって突進する。

▲雲海から山頂が現れた かのようだ

▲雲紋の雪紋

▲昇龍の庭(小口基實)  重森三玲を髣髴とさせる剛健な庭。作者の意気込みが溢れている。

▲上記庭園の滝上部   ここには龍門瀑を昇りきった親子三匹の龍がいる

▲須弥山の庭(九山八海の庭) 

▲江戸時代に作った万松庭
総合TOP  ヨーロッパ紀行TOP 日本庭園TOP